SESはやめとけと言われる理由と選び方
SESをめぐる議論の背景
SESはやめとけと言われる理由と、それでも選ばれる理由は、エンジニア界隈では長く議論されてきました。SNSや掲示板では「搾取だ」「成長できない」といった声がある一方で、現実には多くのエンジニアがSESでキャリアをスタートさせています。
背景にあるのは、日本のIT業界特有の多重下請け構造と、エンジニアのキャリア設計に関する情報不足です。若手のうちは「とにかく経験が欲しい」「開発現場を見てみたい」という思いが強く、目の前の求人条件だけで判断してしまいがちです。
一方で、SES企業の中には、きちんと教育体制を整え、エンジニアの市場価値を高めようとしている会社も存在します。つまり、SESという働き方そのものよりも、「どんな会社を選ぶか」「どうキャリア設計するか」で結果が大きく変わるのです。
SESはやめとけと言われる主な理由
SESはやめとけと言われる理由には、いくつか典型的なパターンがあります。多くは「待遇の不透明さ」「キャリアの不安定さ」「希望しない案件へのアサイン」など、働く側から見てコントロールしづらい点に集約されます。
特に、初めての転職や未経験からのエンジニア転身だと、求人票の言葉だけでは実態をイメージしにくく、「入ってみたら聞いていた話と違った」というギャップが起こりやすいです。その結果、「SESは全部ブラックだ」という乱暴なラベリングにつながりがちです。
ですが実際には、問題の多くは「会社ごとの差」や「事前の確認不足」に由来します。やめとけと言われるポイントをあらかじめ知っておけば、避けられるリスクも少なくありません。
よくある不満と失敗パターン
SESはやめとけと言われる理由と、それでも選ばれる理由を整理するうえで、まず「失敗した人がどこでつまずいたか」を押さえておくことが重要です。よくある不満としては、以下のようなものがあります。
1つ目は「単価は高いのに給料が低い」という構造への不満です。客先に提示されているエンジニア単価と、自分の給与の差額がどこに消えているのか分からず、搾取されている感覚を持ってしまうケースです。契約形態やマージン率の説明がない、もしくは極端に不利な条件の場合、やめとけと言われても仕方ありません。
2つ目は「アサインされる現場を選べない」問題です。希望はJavaの開発なのに、気づけば長期のテスト要員やヘルプデスクに回され、スキルが積み上がらないまま数年が過ぎてしまうことがあります。キャリア初期の数年は特に重要なので、ここで失敗すると後々の転職市場で苦労します。
3つ目は「職場がコロコロ変わって孤立感が強い」ことです。常駐先が変わるたびに人間関係を一から作る必要があり、会社の同僚とも顔を合わせる機会が少なく、帰属意識を持ちづらいと感じる人も多いです。メンタル的な負担が蓄積しやすい点は、見落とされがちなリスクと言えます。
それでもSESが選ばれる理由
一方で、SESはやめとけと言われる一方、現実には多くのエンジニアがこの働き方を選んでいます。その背景には、「入り口としてのハードルの低さ」と「現場経験を積みやすい」構造があります。
自社開発や受託開発に比べると、SES企業は採用の懐が広く、未経験や異業種からの転身でもチャンスがある場合が多いです。これは、スタートラインに立ちたい人にとっては大きな魅力です。
また、常駐先を変えることで、さまざまな現場や技術スタックを経験できる可能性もあります。もちろん会社や案件の選び方次第ですが、うまく活用すれば「現場経験を短期間で積み上げるブースター」として機能することもあります。
キャリア初期に得られるメリット
SESはやめとけと言われる理由と、それでも選ばれる理由を比較すると、キャリア初期におけるメリットは無視できません。特に未経験〜経験3年目くらいの層にとって、SESは「実務経験への最短ルート」になりやすいです。
メリットの1つ目は、「現場ベースでの学びの量」です。研修だけでは身につかない、プロジェクトの進め方、チーム開発のコミュニケーション、仕様変更への対応といった実務感覚は、常駐先で揉まれることで身についていきます。
2つ目は「複数の環境を見られる可能性」です。同じSES企業に在籍しながら、金融系、Web系、官公庁系など、業界の違う現場を経験できれば、自分がどの領域と相性が良いのかを早めに見極められます。これは、将来自社開発企業へ転職するときにも大きな武器になります。
3つ目は「コミュニケーションスキルの強化」です。SESでは、常駐先の社員や他社のエンジニアと協働するため、技術だけでなく、報連相や折衝力が鍛えられやすい環境です。これらはどんな働き方を選んでも求められる、汎用性の高いスキルです。
こうした要素が積み重なり、「多少のリスクを理解したうえで、それでもSESを入り口として選ぶ」という人が一定数いるのが現状です。大事なのは、メリットだけで判断するのではなく、自分のキャリアイメージと照らし合わせて選ぶことです。
SESを選ぶ前に確認すべきポイント
SESはやめとけと言われる理由を踏まえても、「条件次第ではアリ」と考えるなら、選ぶ前の見極めが何より重要になります。同じSESでも、会社ごとのスタンスや待遇、教育体制によって、キャリアへの影響はまったく違ってきます。
ここで妥協すると、「とりあえず入社したけれど、1年後に絶望して転職活動をやり直す」ということになりかねません。転職の回数が増えるほど、次の選択肢が狭まりやすいことも考えると、最初の見極めに時間をかける価値は大きいです。
SESはやめとけと言われる理由と、それでも選ばれる理由を両方理解したうえで、自分なりのチェックリストを持って面接に臨むと、ミスマッチをかなり防げます。
確認すべきポイントとして、最低限おさえておきたいのは次のような点です。
- 「単価と給与の関係」をどこまで開示してくれるか
- マージン率や昇給ルールが明文化されているか
- アサイン方針:希望外の案件をどの程度避けられるか
- 社内でのフォロー体制:現場に一人きりで放置されないか
- 教育・支援:資格支援、書籍購入補助、勉強会などがあるか
- キャリアパス:SESから受託・自社開発などへのシフト事例があるか
面接では、これらを具体的に質問し、「言葉を濁さずに答えてくれるか」「現実的なラインで話しているか」を見極めることが大切です。いい会社ほど、デメリットも含めてリアルに説明してくれる傾向があります。
まとめ
SESはやめとけと言われる理由は、主に待遇の不透明さやキャリア形成の難しさにありますが、それでも選ばれる理由として、現場経験を積みやすい点やキャリア初期の入り口としての役割があります。
重要なのは、「SESだから良い/悪い」と決めつけるのではなく、自分のキャリアのどの段階で、どんな目的で利用するのかを明確にすることです。そのうえで、単価・マージン・アサイン方針・フォロー体制といったポイントを丁寧に確認し、納得できる会社を選べば、SESも有効な選択肢の一つになり得ます。


